谷口諒特任助教が、第34回「組織学会高宮賞(論文部門)」を受賞しました。
受賞の論文は、
『シンボルを用いた資源獲得の成功による資源配分の失敗:「バイオマス・ニッポン総合戦略」の事例』(『組織科学』第50巻 第4号/2017年6月20日発行)
です。
◆要旨
本稿の目的は、既存の経営学研究の知見に基づき、日本の政策に係る問題を考察することにある。日本の重点政策下では、当該政策と本来関連の薄い政府事業が予算を獲得しており、政府が進める「選択と集中」は必ずしも達成されているわけではない。こうした問題は、「便乗予算」として指摘されている。本稿は、資源配分及び資源獲得研究双方の知見を援用することで、便乗予算という組織病理現象が生じるメカニズムを理解するための理論を構築する。本稿は、その理論を例証することを目的として、「バイオマス・ニッポン総合戦略」の事例分析を行う。具体的には、当該政策下で実施された207政府事業の事業目的記述の内容分析を実施する。その結果とそれに基づく考察からは、ボトムアップによる資源配分プロセスを採用している組織では、資源の重点配分方針が逆に資源の分散を招く危険性があることが示唆される。
「組織学会高宮賞」は、若手研究者による組織科学研究を奨励するために、
1985年に創設されました。
第34回組織学会高宮賞(論文部門)は、2016年9月1日から2017年8月末日の間に刊行された組織学会会員の著作の中から、組織科学研究の奨励に資するものとして
『シンボルを用いた資源獲得の成功による資源配分の失敗:「バイオマス・ニッポン総合戦略」の事例』が選定されました。
「組織学会高宮賞」のHPはこちらです。
「第34回 組織学会高宮賞受賞者決定のお知らせ」
「IMPPブログ 谷口特任助教が組織学会高宮賞(論文部門)を受賞!」