コラボレーション

学内コラボレーションの強化

イノベーション研究センターはその性格上、一橋大学内部では商学研究科との密接な関係をベースに研究を進めていくことになります。しかし、イノベーションが広く社会・経済的な現象だということを考えれば、他の研究科との関係も無視することはできません。

イノベーション研究の一部が今まで経済学的観点で進められてきたことを考えると経済研究科との強い関係を持つことは自然ですし、企業家のパーソナリティや社会的規範、社会制度がイノベーションを説明する上で重要な視点であることから社会学研究科との接点は欠かせません。また知的所有権の問題などが直接的にイノベーション活動に影響を与えることから法学研究科との連携も必要になってきます。

学者間のコラボレーションの組織化

イノベーションが現代産業社会の原動力であるということが共通認識になって以来、異なった学問的視点から様々な人々がイノベーション研究に取り組んできました。しかし、これまでの研究は高度に専門化した学問領域内で、個別にイノベーションという現象を扱う傾向が強かったといえます。例えば、経営学者、経済学者、社会学者、政治学者は、それぞれ独自視点でイノベーションというテーマに取り組んできたため、イノベーション研究は個々の学問体系の中で、ひとつの応用分野として扱われる傾向があり、各学問体系間の交流は極めて限られたものでした。

当センターでは、各学問的分野で研究する学者間の横のつながりを強化することで、様々な学問が蓄積してきた知識を空間的に統合し、なぜ、イノベーションが起こるのか、そのプロセスの背後にある真の論理を明らかにしていきます。

産官学とのコラボレーション

当センターでは、国内外、文系理系、産官学などあらゆる垣根を越えた自由なやり取りを軸に研究活動を促進していきます。

例えば、一橋大学を中心とする中央線や青梅線沿線の多摩地区には企業の研究所を含めた多くの研究機関が数多く集積しています。イノベーション研究センターではそれらをイノベーションのマネジメントという観点からまとめる拠点として機能していきます。これまで縦割り意識が障害となって仕事(取引)ベースでの関係しかなかった各企業や研究所が1つに集まって、イノベーションプロセスをいかに管理していくかといったことを真剣に議論しながら共同で研究を行っていくことになります。本当の意味での集積のメリットが活かされるわけです。

米国のシリコンバレーがスタンフォード大学を中心として地域ネットワークを作っているように、当センターはイノベーション研究の地域ネットワークの軸になります。その際、理科系の大学とのコラボレーションが重要になることは言うまでもありません。そこで当センターでは周辺の大学、特に理科系の大学との関係を強化し、文献の共有や研究者のコラボレーションなどを押し進めていきたいと考えています。

イノベーション研究のグローバル拠点に

現在、世界中の研究者が日本企業のイノベーション活動に多くの関心を示しています当センターはその窓口として、そして国際的イノベーションの拠点、グローバルハブとして、大きな役割を果たしていきます。もちろん当センターの前身である産業経営研究施設は長年その役割を担ってきました。今回イノベーションにテーマを絞った研究所に転換したことでそうした役割をさらに強化することになります。

具体的には、世界各国の大学からイノベーション研究の研究者を招くと同時に、企業・官庁からの派遣研究員を国際的なベースで受け入れていきます。こうしてイノベーションに関する研究成果を集中的に蓄積していくことは、世界に向けて問う研究センターのアイデンティティを明確にすることにつながります。