歴史

「イノベーションの社会的プロセスの研究拠点になる。」

この目標を達成するために、1997年4月、一橋大学イノベーション研究センターが発足しました。

一橋大学イノベーション研究センターの前身は、1944年に発足した東京商科大学産業能率研究所です。同研究所は、1949年5月、新制大学への移行とともに、一橋大学産業経営研究所と改称されました。

その後50年近く続いた産業経営研究所は、単なる学術研究にとどまらず、実務界に寄与することを目的とした、数々の理論的かつ実証的研究をおこなってきました。世の中に先駆けてケーススタディに注目し、1953年には、今も続く「ビジネスレビュー」誌を発刊するなど、長年にわたり、「理論と実務の架け橋」としての社会的役割を果たしてきました。

イノベーション研究センターは、こうした理念や役割を踏襲しつつ、イノベーションを希求する社会の強いニーズにこたえるために、産業経営研究所の発展的な解消とともに、1997年4月に誕生しました。

イノベーションは単なる発明や発見とは異なります。それは「経済・社会的価値」をもたらす革新です。それゆえ、革新的アイデアが経済・社会的価値を生み出すにいたる「社会的プロセス」の本格的研究が必要とされていました。それはポストバブル期の経済低迷にあえぐ日本にとっては喫緊の課題でした。また、日本のような天然資源に乏しく多くの人口を抱える国にとって、イノベーションを集約する知識立国を目指すことは歴史の必然であったともいえます。

イノベーションを希求する日本の状況は、15年が経過した現在も変わってはいません。イノベーション研究センターでの研究が、いまだ閉塞感に陥っている日本の企業や市場、さらに政治や経済の大きな枠組みを創造的に破壊して新しい発展段階へと導く上での重要な契機になるものと私たちは信じています。