【シンポジウム】医薬バイオ産業イノベーション2015.3.19

シンポジューム   医薬バイオ産業イノベーション:革新力強化への課題
JSTプロジェクト(「イノベーションの科学的源泉とその経済効果の研究」)からの示唆

当シンポジュームは盛会のうちに開催されました。
たくさんのご参加ありがとうございました。

開催趣旨
医薬産業は、新薬の創出によって日本及び世界の人々の、寿命の延長を初めとする健康の増進に大きく貢献した。日本の医薬産業も、「創薬」産業としての歴史は比較的新しいが、1970年代から1990年代にかけて、米国、英国に次いで革新的な新薬の創出に貢献してきた。医薬産業の発展とサイエンスの発展とのつながりは近年急速に強まっており、それが米国の医薬産業の近年の競争力向上の大きな要因をなしていると考えられる。日本においても、サイエンスをイノベーションに取り込む能力強化と両者の多様な相互促進のメカニズムの形成が、医療産業のイノベーションに非常に重要となっている。

こうした新しい環境下でのイノベーションのあり方を検討していく上では、日本の製薬産業やバイオスタートアップが如何にサイエンスを活用しているのか、また、どのような困難に直面しているのか、更に政策や制度の影響を、客観的データを収集・構築し、検証していくことが非常に重要である。こうした問題意識から、科学技術振興機構からの支援を受けて実施した「イノベーションの科学的源泉とその経済効果の研究」プロジェクトの成果を、シンポジューム「医薬バイオ産業イノベーション:革新力強化への課題 」(3月19日(木)、一橋講堂 (中会議場))において報告する(プログラムは下記の通り)。

本研究プロジェクトでは、日本が生んだ11の革新的医薬の包括的事例研究、日本で進行中あるいは中止された新薬の研究開発プロジェクトのサーベイ、日本のバイオスタートアップ企業へのサーベイやその資金調達のデータの分析、技術分野全般をカバーする発明者へのサーベイ、疾患毎の医薬投与実績に基づいた死亡年齢等の動向分析などによる研究を進めてきた。一橋大学(イノベーション研究センター)、日本製薬工業協会医薬産業政策研究所、バイオインダストリー協会、経済産業研究所が協力して、研究を推進した。
 
主催: 
     一橋大学イノベーション研究センター
共催:
  科学技術振興機構社会技術研究開発センター  
  日本製薬工業協会医薬産業政策研究所、
    バイオインダストリー協会、
   
日時:    3月19日(木) 午前9時半から
開催場所: 一橋講堂 (中会議場1・2)
  〒101-8439 東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター2階 
  交通案内: http://www.hit-u.ac.jp/hall/file/menu-016/file_01.pdf

申し込み: 
(お申し込みは3月18日 9時を締め切りとさせていただきます)
当シンポジウムの参加は無料です。

メールからのお申し込みは(sympo201503JST☆iir.hit-u.ac.jp ☆を@に変えてください)に、「3月19日開催シンポジウム-医薬バイオ産業イノベーション 申込」とし、
ご氏名とご所属、及び参加時間帯(全セッション、午前のみ、午後にみ)を記入の上、お申し込み下さい。

プログラム
9:00 開場

9:30  セッション1 
   イノベーションの科学的な源泉と知識の波及効果:知識フローの把握 
  司会  岡室 博之、 一橋大学経済学研究科 教授   (20分×4+Q&A10分)
  (1) 革新的医薬の科学的な源泉とその波及効果の把握:事例研究から
     原 泰史、一橋大学イノベーション研究センター 特任助手
  (2) “The use of science for inventions and its disclosure: patent level evidence matched with survey”    
     山内 勇、経済産業研究所 研究員
  (3) “Private and social performance of science intensive drugs: evidence from new drugs launched in Japan”
     西村 淳一、学習院大学 准教授
  (4) コメント 
     伊神 正貫、文部科学省 科学技術政策研究所 主任研究官

11:00 休憩 

11:20 セッション2 
       バイオスタートアップの科学的源泉とファイナンス 
 司会 清水 由美、 バイオインダストリー協会 事業連携推進部 主任
      (25分×2+15分×2+Q&A10分)

  (1)バイオスタートアップの現状:コア技術の源泉との関係を中心に
    中村 健太、神戸大学大学院経済学研究科 准教授
  (2)“Initial public offering and financing of biotechnology start-ups: evidence from Japan”
      本庄 裕司、中央大学商学部 教授
  (3)スタートアップ政策の動向とコメント 
    石井 芳明、経済産業省 新規産業室 
  (4)コメント 
    宮川 大介、日本大学経済学部 准教授

12:50~13:40   ランチ

13:40 セッション3 
         サイエンスと革新的医薬の探索と開発:日本の革新的な医薬の事例研究からの示唆

  司会  南雲 明、日本製薬工業協会医薬産業政策研究所 元主任研究員
     (30分+20分+50分+ Q&A10分)

  (1)革新的な医薬の11の事例研究の経験と示唆:知的財産権の立場から  
   長岡 貞男、一橋大学イノベーション研究センター 教授、
   中村 健太、神戸大学大学院経済学研究科 准教授、
   河部 秀男、元バイオインダストリー協会 企画部長 

  (2) スタチンの開発から学んだこと  
   遠藤章、東京農工大学 特別栄誉教授/一橋大学イノベーション研究センター 客員教授

  (3) ブロプレスの経験とコメント 
   井村良視、武田薬品工業株式会社 医薬研究本部 リサーチマネジャー
 
   (4) アクテムラの経験とコメント
   大杉義征、一橋大学イノベーション研究センター特任教授
  
15:30 休憩

15:50 セッション4 
         新薬開発におけるサイエンスと先行優位性、不確実性、及び規制:
         医薬品探索開発プロジェクトの大規模サーベイからの示唆
 司会  源田 浩一、日本製薬工業協会医薬産業政策研究所 元主任研究員
                     (30分、20分×3+10分)     
  (1)探索とサイエンス 
    長岡 貞男、一橋大学イノベーション研究センター 教授
  (2) 臨床とサイエンス
      西村 淳一、学習院大学 准教授
  (3) 産業界の動向と課題 
       川上 善之、日本製薬工業協会 研究開発委員会産学官連携部会長
    (4)  政策動向と課題 
   河野 典厚、厚生労働省医政局 治験推進室長

17:40 まとめ
  司会  長岡 貞男、一橋大学イノベーション研究センター 教授/
                経済産業研究所プログラムディレクター
  コメント 科学技術イノベーション政策の観点から
   赤池 伸一、科学技術・学術政策局企画評価課 分析官
  コメント 知財制度の観点から 
   岡田 吉美、一橋大学イノベーション研究センター 教授 
 
18:00 閉会